春日部市・越谷市・さいたま市|渡邉公認会計士・税理士事務所

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平成23年度税制改正

法人課税関係/中小企業関連項目


  1. 特殊支配同族会社の損金不算入制度の廃止
    1. 適用開始:平成22年4月1日以後に終了する期(事業年度)から廃止
    2. 制度概要:特殊支配同族会社がその業務主宰役員に対して支給する給与のうち、給与所得控除相当額を損金不算入とする制度
    3. 今後の見通し:制度は廃止となったが、社長の給与について法人で損金となり、個人でも給与所得控除の対象となるという「二重控除」の問題が指摘されている。このため、抜本的な措置が平成23年度税制改正で講じられる予定である。
  2. 交際費等の損金不算入制度の延長
    1. 適用期間:平成24年3月31日まで延長
    2. 制度概要:資本金1億円超の法人・・・全額損金不算入、資本金1億円以下の法人・・・6百万円までの部分10%損金不算入、6百万円超の部分全額損金不算入
  3. 中小企業優遇税制①少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例延長
    1. 適用期間:平成24年3月31日まで延長
    2. 制度概要:中小企業(資本金一億円以下で大法人の子会社を除く)は、1点取得価額30万円未満までの減価償却資産は一括に全額損金算入できる。
  4. 中小企業優遇税制②中小企業投資促進税制の延長
    1. 適用期間:平成24年3月31日まで延長
    2. 制度概要:以下の対象資産に関して、取得価額の30%の特別償却が認められる。さらに、資本金3,000万円以下の場合、この特別償却と7%の税額控除とのいずれかの選択も可能となる制度。なお、その期の法人税額の20%が上限となる。特別償却の不足額および税額控除の限度額超過部分は翌期への繰越が可能
      1. 機械装置のすべて: 1台160万円以上
      2. 一定の器具備品(パソコン、デジタル複合機など):1事業年度120万円以上
      3. 一定のソフトウェア:1事業年度70万円以上
      4. 普通貨物自動車(3.5トン以上):金額基準なし
      5. 内航船舶(取得価額の75%が対象):金額基準なし 
  5. 中小企業優遇税制②中小企業等基盤強化税制の延長
    1. 適用期間:平成24年3月31日まで延長
    2. 制度概要:1事業年度70万円以上購入した場合、以下の対象資産に関して、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除とのいずれかの選択が可能となる制度。なお、その期の法人税額の20%が上限となる。特別償却の不足額および税額控除の限度額超過部分は翌期への繰越が可能。
      1. 基本システム
      2. データベース管理ソフトウェア
      3. 連携ソフトウェア
      4. 同時取得のファイアーウォールなど
  6. 欠損金の繰戻還付の不適用の延長
    1. 適用期間:平成24年3月31日まで延長
    2. 制度概要:前期が黒字で当期が赤字の場合、前期納めた法人税の全部または一部を当期に繰り戻して還付を受ける制度。なお、中小法人等に限り、平成21年2月1日以後に終了する期から法人税の還付を受けることが可能となっている。
  7. グループ法人単体課税制度の創設
    1. 適用開始時期:平成22年10月1日から適用
    2. 制度概要
      1. 100%グループ内法人間の資産の譲渡損益の繰延:100%グループ内の法人間で行った『一定の資産(固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産(ただし、売買目的有価証券、帳簿価額10,000千円未満の除く)』の譲渡損益を、その譲渡時点では計上せず、その資産がグループ外へ移転等したときに、その移転を行った法人において譲渡損益を認識するもの。これにより、含み損を実現させる節税策は使用できなくなる。一方で、含み益の実現による課税を考慮する必要がなくなるため、グループ内の経営資源の再配置を容易に行うことが可能となった。
      2. 中小企業向け特例措置の不適用(但し、本件は平成22年4月1日より適用開始):大企業の親会社の事業部と実態が同様であるにもかかわらず、大企業の子会社も資本金が小さければ中小企業向けの税法上の優遇規定が適用できるという不均衡を是正するため、一定の法人(資本金が5億円以上の大法人の100%子会社)については優遇規定の適用を排除するもの。①中小企業の軽減税率18%→通常税率30%へ②特定同族会社の留保金課税の不適用③交際費の損金不算入における定額控除の不適用④貸倒引当金の法定繰入率の不適用⑤欠損金繰り戻し還付の不適用
      3. 100%グループ内法人間の寄付:グループ内の内国法人間の寄付金については、支出法人においては全額損金不算入・受取法人においては受贈益を全額益金不算入としたもの。親会社から子会社への支援・資金援助をスムーズに行えることになった。
      4. 100%グループ内の内国法人間の受取配当金(但し、本件は平成22年4月1日より適用開始):グループ内の内国法人からの受取配当金については、株式等に係る負債利子の控除をすることなく、その全額を益金不算入とすることができるようになった。グループ間で配当による資金移動を無税で行えるようになり、グループ全体として機動的な資金管理が可能となった。
      5. 100%グループ内の内国法人間の株式を発行法人に譲渡する場合:100%グループ内の内国法人である発行法人に対して株式を譲渡し亜場合には、その株式を譲渡する法人においては譲渡損益を認識計上しない。 
      6. 100%グループ内の内国法人間の現物配当:会社法によって認められることになった「現物配当」の税務上の取扱は、現物配当の対象資産を時価により譲渡したものとして、一旦配当の対象となる資産の譲渡損益を認識した上で、その時価をもって配当をすると考えられていたが、今回の改正で、現物配当をグループ内組織再編の一環として位置付け、譲渡損益の計上を繰り延べられることになった。これに併せて、現物配当にかかる源泉徴収も不要となった。
  8. 資本に関係する取引等に係る税制
    1. 適用開始時期:平成22年10月1日から適用
    2. 制度概要
      1. 連結納税制度の主な改正
        1. 連結加入時の連結子法人の繰越欠損金引継が可能となった。(但し、本件は平成22年4月1日より適用開始)
        2. 承認申請書提出期限が、連結開始事業年度の3か月前までになった。(従来6ケ月前)
      2. 清算所得課税の廃止
        1. 会社を解散した場合、現行では「所得課税」から「財産課税(清算課税)」へ課税方式が変更されることになっていたが、今回の改正では、解散後に期限切れとなった欠損金を利用できるようにするなど一定の調整を行った上で、「清算所得課税」を廃止し、「所得課税」への一本化を図ったもの。
      3. 適格合併等における欠損金にかかる制限措置の緩和
        1. 50%超の支配関係が①適格合併の日の属する事業年度の開始日の5年前の日②合併法人設立の日③被合併法人の設立の日、のうち最も遅い日から継続している場合には、制限がないことになた。

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個人所得課税関係


  1. 扶養控除等の見直し
    1. 適用開始時期:①所得税の扶養控除改正は、平成23年度分から②住民税の扶養控除改正は平成24年度分から
    2. 制度概要:①16歳未満の扶養控除38万円が廃止②特定扶養控除(16から22歳)のうち、16歳以上19歳未満の上乗分25万円が廃止
  2. 特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
    1. 適用開始時期:期限2年延長、平成23年12月31日まで
    2. 譲渡対価の額が2億円以下、という条件が追加された
  3. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除
    1. 適用開始時期:期限2年延長、平成23年12月31日まで


相続税・贈与税課税関係


  1. 住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置の拡大
    1. 適用開始時期:平成22年1月1日から平成23年12月31日まで
    2. 制度概要:直径尊属(父母、祖父母)からの住宅資金の贈与については、平成22年中では1,500万円、平成23年中では1,000万円が非課税となる。上記の金額は、基礎控除額110万円のほかに認められている。なお、追加要件として、贈与を受けた年の受贈者の合計所得金額が2,000万円以下(サラリーマンでは年収2,284万2,105円以下)ということが新たに定められた。
  2. 住宅取得資金に係る相続時精算課税制度の特例
    1. 適用時期:上乗せ分1,000万円の特例は平成21年12月31日までで廃止し、親年齢制限「なし」の特例は、平成23年12月31日まで延長
    2. 制度概要:精算課税制度の通常枠2,500円に住宅取得資金として1,000万円が上乗せされていたが、この上乗せ分が廃止となった。また、本来65歳以上の親からの要件があるが、この要件の不適用が存続することになった。


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