会社を取り巻く税金の基礎知識
2.会社にかかる法人税とはどのよなもの?
法人税の計算は所得税と比べると、意外と単純です。
所得税は、まず収入の種類を区分して、各収入毎に所得を計算します。そこから、医療費控除、扶養控除等の所得控除を差し引いて課税所得金額を計算して初めて税額を算定できます。
法人税は、当期純利益に若干の調整計算をして課税所得が算定され、それに税率を乗じて税額を算定します。所得区分も所得控除もなく、本業の利益やそれ以外の利益の区分もありません。
たとえば、年間利益1,000万円(説明の便宜上、調整計算を無視)の場合、800万円×18%+(1,000万円-800万円)×30%=204万円となります。
また、法人税では、確定決算主義という言葉を耳にします。これはなんでしょうか?
個人事業主は、自分のことはすべて自分で意思決定すればすみますが、会社組織であるとそのようにいきません。会社法では、会社の最高の意思決定機関といわれるものは株主からなる株主総会であると規定し、ここでは取締役の選任を始め、会社の基本となる重要な判断の決定権限を有するとしています。そのため、株主は、経営のプロである会社の取締役に経営を任せ、経営者はその見返りに自ら事業活動の1年間の結果を計算書類まとめて株主総会に提出し、承認をもらう必要があると規定しています。
こうして、会社の決算が株主総会で承認されて、初めて会社としての利益が確定することになります。
以上から、法人税法上は、この株主総会で承認された利益をスタートとして課税所得額を算定する方式をとっていることから、これを「確定決算主義」と、呼んでいます。
では、次に法人税の計算仕組みを考えてみましよう。
税法は確定決算主義をとるため、上記のとおり、当期純利益を計算のスタート地点とし、以後、決算で費用算入したが、税務では費用と認めないものについては、その分を加算し、逆に、決算では収益として計上したが、税務では課税されないものはその分減算するなどの調整計算をして、課税対象の利益(=課税所得)を計算するわけです。この調整計算を申告調整といいます。
税額計算はどうなっているのでしょうか?
これは、単純です。個人の場合には、所得控除という制度がありましたが、法人税の場合にはありません。よって、上記の申告調整後の課税所得に税率を乗じて算定するだけです。
それなら、申告書類の提出も簡単ですか?
計算は簡単ですが、申告書関係の書類作成はかなりの事務負担となります。税務署への提出書類である法人税申告書書類は、決算書のほか勘定内訳書、申告書別表、事業概況書があり、その分量は数十ページに及ぶからです。専門家の税理士に任せたほうが無難であると思います。
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